きれいの手びき #011 〜酷暑に負けず健やかに過ごすには〜

2023.08.21
あなたの美しさをつくりだしている源はなんですか?

おいしいものを食べたり、可憐な花を見たり、ふとした人の優しさに触れたり、はたまた「推し」の動画を見たり……。
朝夕のスキンケアとともに、薄いミルフィーユを重ねるように、心が動く日々の小さな幸せも、きっとその要素になっているのではないでしょうか。

このコラムでは、そんな「美しさの源」になるような、毎日の暮らしで実践できるシンプルなアイデアや、季節のミニ知識をお伝えしていきたいと思います。

夏真っ盛りの8月。でも暦の上では立秋を迎えます

本格的な酷暑の時期です。皆さんそれぞれに夏バテや熱中症対策をしていると思います。ですが、冷房による体の冷えを気にして暑さを我慢したり、冷たい食べ物や水分を摂ることを控えたりすることで、かえって体調を崩す場合があります。私も「冷えは万病のもと」と常に気をつけているので、カフェに入っても冷たい水をなるべく飲まないようにしたり、部屋にいるときは扇風機の風で暑さをしのぐなど、自分なりに工夫しています。が、気づかないうちに脱水症状になってしまい、夕方や夜に頭痛が……と、毎年この季節に同じような失敗を繰り返しています。

そんな私自身の教訓は「度を過ぎなければ大丈夫」ということ。暑い外では氷の入ったキリッと冷えた飲み物が熱を帯びた体をクールダウンしてくれるし、気分も爽快に。体も生き返る感じがします。何十杯もおかわりしたり、1日何度も飲みつづけるのはさすがに危険ですが、自分のその日の体調、気分、そのときの感覚などをしっかり把握して判断すれば、大事に至ることはないのではと思います。

逆に「こうでなければ」「これはダメ」など、強い思い込みでの行動が落とし穴になることも。そのためにも、自分をケアする「判断力」を普段から磨いておくことは大切です。

真夏をすっきり過ごすウェルネスアイディア

食事:
夏バテ予防に!と肉類ばかりを食べ過ぎず、トマト、キュウリ、ナス、オクラなど、旬野菜をたくさん食べましょう。これらを一度に摂れる発酵食品の代表格「ぬか漬け」に挑戦するのもオススメです。冷蔵庫で保存できる小さめのぬか床もあります。夏は手でぬかを混ぜても冷たさが苦にならないうえ、食欲がないときは刻んでそうめんや冷奴と合わせてもGOOD。体にいいもの食べてる~!という充実感で満たされます。

身体:
体のだるさも神経の疲れも取り除いてくれるので、睡眠は大切。もし夏の夜に寝苦しさを感じたら、「低温入浴」をしてみませんか。深部体温(内臓など体の内部の温度)と同じくらいの35~38度のお湯に、20~30分浸かりましょう。体温に近い温度のお湯に浸かると、体に負担が少ない状態のまま、寝入りやすい体温までゆっくり深部体温が下がるうえ、副交感神経も優位になることで身体がリラックスします。低温なら入浴後も汗をかきにくいので、冷房や扇風機で一気に体を冷やす必要もなく、眠りにつく環境を整えられます。

心:
8月は1年の折り返しが始まったばかり。今年の後半をどう過ごしたいか、どうなりたいかをクリアにしておきましょう。お盆休みなど休暇中は心身を休めることも大事ですが、実現したい小さな望みや夢をはっきりとイメージしておくことで、さらに前向きな気持ちで9月を迎えることができます。


心身のコンディションを大きく崩すことなく8月を過ごすことで、その先の「秋バテ」対策にもなりますよ。今年は酷暑になるといわれています。皆さんどうぞご自愛ください。


illustration:CHIHIRO YOSHII
WRITER
岡村 貴子 - Okamura Takako -
日本第一号のオーガニックコンシェルジュ。現在は企業のウェルネスデザイン研究所の所長を務め「仕事も暮らしも自分のウェルネスは自分でデザインする」ことを推進している。植物療法士、キャリアコンサルタントなどとしても活動する。著書に『おつかれ女子のウェルネス手帳』(幻冬社)、『オーガニック入門』(ソニーマガジンズ)。