きれいの手びき #009 〜シンプル習慣で梅雨を乗り切る〜

2023.06.23
あなたの美しさをつくりだしている源はなんですか?

おいしいものを食べたり、可憐な花を見たり、ふとした人の優しさに触れたり、はたまた「推し」の動画を見たり……。
朝夕のスキンケアとともに、薄いミルフィーユを重ねるように、心が動く日々の小さな幸せも、きっとその要素になっているのではないでしょうか。

このコラムでは、そんな「美しさの源」になるような、毎日の暮らしで実践できるシンプルなアイデアや、季節のミニ知識をお伝えしていきたいと思います。

もしかして、あなたも「梅雨」が苦手?

疲れが抜けない、眠気が取れない、やる気が出ない……。ないないオンパレードの梅雨の時期。
皆さんどのように過ごしていますか。

私の住む鎌倉ではこの季節、鎌倉3B(カビ、サビ、トンビ)のひとつ、「カビ」が元気いっぱい活動を始めるので、クローゼットから靴箱までカビが生えてないかをチェックするカビパトロールが日課になります。とくに6月は革のジャケット、バッグ、ヒールなど、毎年必ず別れを告げなければならないアイテムたちが出てしまい、泣く泣く手放すというサヨナラの季節でもあります。

ある調査によると、梅雨の時期に体のだるさや肩こりなど不調を感じている女性は、なんと6割もいるのだそうです。年齢が上がるにつれて、その割合も増えるとのこと。また、この季節にかかわらず、「雨の日はなんだかいつも調子が悪くなるな」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もその1人です。このコラムを機に、梅雨と人体のつながりや、不調はなぜ起こるのかをじっくり調べてみました。

【雨と人間の体の関係】
・長雨で日照時間が少なくなると、人間の体内時計(生体リズム)が乱れる
・低気圧は空気中の酸素濃度が低くなるため、身体が生命を維持するために身体を休ませようとする
・酸素の薄い環境のせいで脳や体が酸素不足気味になる
・湿度が高いと発汗がうまくいかず代謝が悪くなる
・低気圧になる際の気圧の変化で自律神経が乱れる
・気圧が低いと副交感神経が活発になり、眠さやだるさを感じる
・低気圧になると体に炎症反応を引き起こすヒスタミンが多く分泌され、さまざまなアレルギー症状が起きたり、筋肉や関節の血行が悪くなることで、もとから不調だった部位がさらに不調を感じたりする

こんなに不調の要因があるなんて、正直驚きました。これだけ身体に何かしらの負荷がかかれば、メンタルにも影響が出て当たり前かもしれませんね。以前「海外留学の渡航は雨季を避けて!」とアドバイスされたことがありますが、それは、新しい環境で不安→毎日のように雨が降る→気分が落ち込み鬱っぽくなる&体調不良→帰国早まる、となってしまう訳です。

梅雨に実践したいシンプル習慣

「なぜ調子が悪いのか」を理解し、心構えをしたり対策をしたりして、少しでも快適に梅雨の季節を過ごしましょう。今回は簡単にできる不調を改善するアイデアをご紹介します。

1. 質の良い睡眠をたっぷりとる
2. 晴れ間を見つけて太陽の光をなるべく浴びる
3. 身体が冷えないようストール、カーディガンを常備
4. キュウリ、蕎麦、ラッキョウ、魚を積極的に食べる
5. 耳の中にある、気圧の変化を感じるセンサー役の内耳(ないじ)の血流を良くするため、耳をやさしく上下左右に引っ張ったり回したりしてマッサージする
6. いつもよりゆっくり湯船に浸かる(ぬるめの湯温で首まで浸かる)

ちなみに私は、部屋の湿度を程よく調節してくれるオーガニックコットンの布でできたカーテンをリビングと寝室にかけています。湿気があるときはコットン布が空気中の水分を吸ってくれているようで、重みで裾が少し長くなるんです。乾燥すると水分を出すのか元の長さに。まるで呼吸しているみたいです。除湿機も良いですが、調湿してくれるカーテンも愛着が湧いていいものです。

雨の恵みに感謝しつつ、不調対策をして憂鬱になりがちな梅雨を乗り切りましょう。



illustration:CHIHIRO YOSHII
WRITER
岡村 貴子 - Okamura Takako -
日本第一号のオーガニックコンシェルジュ。現在は企業のウェルネスデザイン研究所の所長を務め「仕事も暮らしも自分のウェルネスは自分でデザインする」ことを推進している。植物療法士、キャリアコンサルタントなどとしても活動する。著書に『おつかれ女子のウェルネス手帳』(幻冬社)、『オーガニック入門』(ソニーマガジンズ)。