きれいの手びき #008 〜緊張とストレスを和らげよう〜

2023.05.05
あなたの美しさをつくりだしている源はなんですか?

おいしいものを食べたり、可憐な花を見たり、ふとした人の優しさに触れたり、はたまた「推し」の動画を見たり……。
朝夕のスキンケアとともに、薄いミルフィーユを重ねるように、心が動く日々の小さな幸せも、きっとその要素になっているのではないでしょうか。

このコラムでは、そんな「美しさの源」になるような、毎日の暮らしで実践できるシンプルなアイデアや、季節のミニ知識をお伝えしていきたいと思います。

「イキイキ」が「うつうつ」になりがちな季節

春から夏へ季節が移り、暖かくなる5月。陽の光を浴びて万物が成長し、あらゆる生き物たちがイキイキと活動し始めます。花は咲き乱れ、木々は青々と茂る。私たち人間も活力に溢れているはず、なのですが、五月晴れかと思えば気圧が低下し、春の嵐が吹くこの時期は、寒暖差が激しく体調を崩しやすいもの。新生活や環境の変化による心身のストレスで、「五月病」といわれる症状が出てしまうことも……。

ゴールデンウィークの余韻から抜けて、少しずつ心身を通常運転に戻していくために、簡単に取り入れられる初夏のウェルネス・アイデアをご紹介しましょう。

心身のストレスを解きほぐす 初夏の3Tips

Tip1. 新芽のお茶で疲労回復
「夏も近づく八十八夜~」と歌にもあるように、立春から数えて88日目となる5月初旬には茶摘みが始まります。とくに新芽を摘み取った「新茶(一番茶)」は、甘みとうまみが強く爽やかな香りが楽しめます。この時期に摂取できる最高の旬の食材のひとつではないでしょうか。お茶には、ウイルス増殖を防ぐ作用のカテキン、イライラをリラックスへ導くGABA、疲労回復のビタミンB群など、数えだしたらキリがないほど優秀な成分が詰まっています。シンプルかつスピーディに飲めるから、新習慣にも取り入れやすく、オススメです。茶葉を入れた急須に70~80度のお湯を注いで40秒待ちます。そのあと急須を3回ゆっくり回すことで、茶葉を開かせるのがコツ。

Tip2. ごぼうを食べて栄養補給
ミネラル、食物繊維、カリウム、ポリフェノールが豊富なごぼうは、昔から「薬草」として扱われていたほど。5月は新ごぼうが旬です。軽く叩いて茹でるだけの「たたきごぼう」、炒めてゴマとあえるだけの「ごぼうのシリシリ」など、簡単に調理できるレシピを活用して頻繁に食べるようにしましょう。

Tip3. 温泉療法の一種・頭浸浴でリラックス
いつものバスタイムでできるリラックス法です。お湯をはった浴槽のなかで、仰向けになるように頭を後ろに倒して耳までお湯の中に入るようにし、顔だけを出します。その状態で5~10分ほどリラックスするだけ。これは温泉療法の一種としても知られ、血行を促したり、自律神経を整えたりする効果があるといわれています。少しぬるめの湯温がおすすめです。耳もお湯の中なので、音もシャットアウトされ、異空間にいるような気分になれます。


毎日の暮らしに無理なく取り入れられる簡単な初夏のウェルネス・アイディア、いかがでしたか?自然界のみなぎるエネルギーに力を借りながら、シンプルにできることから心身のバランスを整えて、来たる夏に備えましょう。


illustration:CHIHIRO YOSHII
WRITER
岡村 貴子 - Okamura Takako -
日本第一号のオーガニックコンシェルジュ。現在は企業のウェルネスデザイン研究所の所長を務め「仕事も暮らしも自分のウェルネスは自分でデザインする」ことを推進している。植物療法士、キャリアコンサルタントなどとしても活動する。著書に『おつかれ女子のウェルネス手帳』(幻冬社)、『オーガニック入門』(ソニーマガジンズ)。