今さら聞けない私たちのからだのこと - おりもの

2023.08.25
あなたのからだのこと・からだの中で起きていること、あなたはどれだけ知っていますか?

好きなことに対しての熱量は高いのに、自分のからだのこととなるとついつい疎かになってしまったり、後回しにしてしまったり。悩みがあっても「今さら聞くのは恥ずかしい」気持ちが顔を出してきてそのままにしてしまったことはありませんか?

「もっと早くに知っておけばよかった」を巻き戻すことはできないけれど、「今知ってよかった」を重ねていくことはできます。この連載では、sowaka women’s health clinicの竹元葉先生に、私たちのからだのこと・からだの中で起きていることを基本の基から聞いていきます。
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おりもの

女性ホルモンによって変化するおりもの


人によって量や状態は異なると思いますが、生理とは違って常に出ているイメージがあります。そもそもおりものってなんでしょうか?

竹元先生
子宮頸部や子宮内膜、腟から出る分泌物を指します。女性ホルモンが増えて生理が来るようになったら徐々に分泌されるようになります。

生理と関係のあるものなんですね。正直私の中ではニオイが気になったり、ショーツが濡れてしまったりするやっかいなものと捉えてしまうこともあるのですが、おりものにはどんな役目があるのでしょうか。

竹元先生
まずは、おりものがあることで膣の潤いが守られています。また、ラクトバチルスという善玉菌*が含まれていることで、外から来た嫌な菌が子宮の中に侵入するのを防いでくれます。

*ラクトバチルス・・・乳酸菌の一種。腟の中を酸性に保つことで嫌な菌が入ってこないように環境を守ってくれている。腸内細菌でいう善玉菌のような存在。

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なるほど、むしろわたしたちのからだを守ってくれていたんですね。おりものが日によってさらさらだったり、クリーム状だったり状態が変化しているのはなぜでしょうか。

竹元先生
女性ホルモンの影響を受けて変化しています。排卵期にはさらさらになって精子が子宮の中に入りやすい状態にしてくれたり、排卵後は一旦量は減り、生理前になるとまた量が増えて匂いが変化したりと、生理の周期によって状態は変わってきます。排卵後に受精卵が着床して妊娠した場合にも、いつもと異なるおりものに変化します。

おりものがあることは、おかしいことではない


生理周期と連動して変化しているんですね。サラサラしてたり量が多いと漏れが気になることがあるのですが、おりものシートを付けたほうがいいのか迷っています。生理中もナプキンを付けていることを考えると、常に股に異物感があるのは避けたい気持ちもあり……。

竹元先生
人によって量は異なりますが、漏れやショーツへの影響が気になって不快になってしまうようでしたら、付けていただくほうがいいと思います。

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おりものシートもいろいろなものがあるので、自分にあったものを探してみたいと思います。個人的には先日発表された、おりものの状態をチェックしながら妊活できるおりものシートが気になっています。**

**参考
https://www.syogyo.jp/news/2023/07/post_036307


おりものは、正常な状態でも常に出ているものだと思うのですが、病院に行った方がいいのはどんな時でしょうか?

竹元先生
魚の腐ったような嫌な匂いがしたりかゆみが出たり、血液が混ざるなどの症状があったりするときは相談に来ていただきたいと思います。

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先ほどおりものは生理が始まってから出ると伺いましたが、歳を重ねて閉経したらおりものも出なくなるものなのでしょうか?

竹元先生
はい、出なくなっていきます。閉経後に腟が乾燥して炎症を起こしてしまう萎縮性腟炎にかかる方もいます。

ちなみにおりものを減らすことはできますか?

竹元先生
無理です。感染症等が原因で異常な量になっているなどの場合は治療できますが、体質的なものを変えるのは難しいです。

おりものが常にあることを心配されている方も多いですが、それ自体はまったくおかしくはありません。おりものがあるからこそ、腟内の環境が正常に保たれています。逆に生理があるような年代でもおりものがまったく出ないという方のほうが心配です。

ありがとうございます。生理と同様、個人差があることを理解して、自分のおりものにあったケア方法を考えていきたいですね。

参考
デリケートゾーンのケアについて