きれいの手びき #005 ~心のもやもやの解消法~

2023.02.14
あなたの美しさをつくりだしている源はなんですか?

おいしいものを食べたり、可憐な花を見たり、ふとした人の優しさに触れたり、はたまた「推し」の動画を見たり……。
朝夕のスキンケアとともに、薄いミルフィーユを重ねるように、心が動く日々の小さな幸せも、きっとその要素になっているのではないでしょうか。

このコラムでは、そんな「美しさの源」になるような、毎日の暮らしで実践できるシンプルなアイデアや、季節のミニ知識をお伝えしていきたいと思います。

心をいつでもスッキリさせるために

今回は、始まったばかりのこの一年をより気持ち良い心で過ごすために実践してほしい「心のモヤモヤ」解消法をご紹介したいと思います。

なんだか落ち着かない、不安を感じる、イライラするなど、不安定な心の状態になる時ってありますよね。女性は月経やホルモンバランスの崩れが引き金となることも。特に日照時間が短くなるこの時期は、日光にあたることで合成される「セロトニン=通称・しあわせホルモン」が少なくなるため、季節性情動障害と呼ばれる「冬季うつ病」で、無気力、体がだるい、気分が落ち込むなどの症状が現れる人もいます。

では、心や精神など体の見えないところで起きている現象にどう向き合い、どのように過ごせば良いでしょう。体の不調をお薬や整体、鍼、ストレッチなどで解消するように、心のモヤモヤに効く対処法をいくつか心に留めておくことをオススメします。

心のモヤモヤ解消法 3Tips

Tip1. 原因はなにか、をきちんと整理する
気になっている出来事、不安の種、今の心情をつくりだしていると思われる原因を一度、整理してみます。ポイントは「1+1=2」の公式のように「何が+どうなって=どういう気持ちになったのか」とシンプルに。

Tip2. モヤモヤの内容を書く、話す
例えば「仕事の評価が+がんばった割に低くて=納得いかない、イライラしている」というモヤモヤが先ほどの公式のように頭に浮かべることができたら、その言葉を紙に書きます。文法や誤字脱字、文がうまくまとまらなくても気にせずに。さらに気持ちや言葉や感情があれば、思いつく限り気がすむまで書きだします。もう出てこない、書き切ったと思ったら手を止め、その紙をゴミ箱に捨てます。携帯やパソコンで文字を打たず紙に書く理由はこれです。書くだけ書いて、最後にゴミ箱に捨てる。「なんでなのー!」「ムカついてる私!」「でも好きな仕事だからなんとかしたい!」など、思うままに正直に、思い切って書きましょう。
また、同じ要領で声に出して、誰かに話しをしてみましょう。独り言でもいいです。ただし、一回だけ。何度も繰り返すとその嫌な感情や言葉を記憶に刻んでしまうので「話してスッキリした!」と感じる回数「1回だけ」を守ってください。
これらの書く、話すは、体内(頭や心)にあったネガティブなモヤモヤを、言語化して体外に出すという作業そのもの。つかみ所のない、ハッキリしないものを「言葉」という明確なものにして、文字と声という形にして体から切り離しましょう。

Tip3. モヤモヤを涙で流す
笑い涙、感動した涙、悲しい涙など、感情によって溢れた涙を積極的に流しましょう。映画や本や動画など、きっかけはなんでも良いです。モヤモヤしている事とはまったく関係のない涙で良いのです。
涙にはエンドルフィンという鎮静作用のあるホルモンや、コルチゾールというストレスを低下させる作用があるホルモンが含まれています。「泣く」という行為でそれらを体外に排出するのです。また、気分を不安定にするミネラルの一種である体内の「マンガン」という成分も、泣くことで涙とともに体の外へ流しだすことができるそう。たった一粒の涙でも、宝石のように価値があるのです。



モヤモヤの解消法、いかがでしたか?ポイントは体の外に出す、ということ。文字や涙以外にも、いろんな方法で頭や心の中のモヤモヤを排出して心のデトックスをしましょう!

Illustration:Chihiro Yoshii
WRITER
岡村 貴子 - Okamura Takako -
日本第一号のオーガニックコンシェルジュ。現在は企業のウェルネスデザイン研究所の所長を務め「仕事も暮らしも自分のウェルネスは自分でデザインする」ことを推進している。植物療法士、キャリアコンサルタントなどとしても活動する。著書に『おつかれ女子のウェルネス手帳』(幻冬社)、『オーガニック入門』(ソニーマガジンズ)。