きれいの手びき #004 ~朝の小さな習慣を身につける〜

2023.01.29
あなたの美しさをつくりだしている源はなんですか?

おいしいものを食べたり、可憐な花を見たり、ふとした人の優しさに触れたり、はたまた「推し」の動画を見たり……。
朝夕のスキンケアとともに、薄いミルフィーユを重ねるように、心が動く日々の小さな幸せも、きっとその要素になっているのではないでしょうか。

このコラムでは、そんな「美しさの源」になるような、毎日の暮らしで実践できるシンプルなアイデアや、季節のミニ知識をお伝えしていきたいと思います。

1日の輝き度は「朝」決まる。

今回は、その日の質を決めるといっても過言ではない「朝」に着目したいと思います。

1日のはじまりである朝時間、皆さんどのように過ごしていますか。
朝の習慣といえばよく挙げられるのが、

・カーテンを開けて日光を浴びることでセロトニン(精神安定と安心感をサポートする脳内物質)を出す

・朝ごはんをしっかり食べる

・早起きしてウォーキングする

などがあります。最近では、ウォーキング、ランニング、読書、朝大学に通うなど、体を動かしたり、勉強をしたり講座を受けたりすることで、1日を元気にスタートさせるアクティビティ「朝活」がメディアでもよく取り上げられています。

確かに瞑想やヨガなど、心と体を整えることが日常的にできていれば良いのですが、とくにこの寒い季節、お布団の中で少しでも長く寝ていたい、と思うこともあるのではないでしょうか。もっと時間の余裕があれば、もっと早起きが得意であれば……と、いろいろ自分に言い訳してしまいがちです。今回はそんな朝時間の活用が苦手な方に、明日からすぐに始められる、3分でできる布団の上での簡単な朝活メソッドをご紹介します。

素敵な1日を作る、朝のシンプル3Tips。(布団の上で編)

Tip1. 寝起きはポジティブなことを考える
脳は睡眠をとっている間に一度整理され、起きたときが1日のうちで一番フラットな状態。そこで、まず起きたらポジティブなことをイメージしましょう。「今日はいいことが起きそう!」「うまく行かなかったことが良い方向に動き出しそう!」など、起きて最初の思考をプラスで始めるのです。そうすることで、その後も考え方や感じ方がポジティブになりやすくなります。同じように、ポジティブな言葉や感謝の気持ちで眠りにつくことも大切。思考は筋肉と同じようにトレーニングすることで変化するので、短い時間、少しずつでもいいのでつづけてみましょう。

Tip2. 深呼吸を5回
眠りから覚めたら、そのまま仰向けになり両手両足を軽く伸ばし、息を鼻からゆっくり吸い、3秒ほど止め、ゆっくり吐き……を繰り返します。5回を目安に、自分のリズムが取りやすい数で行ってみましょう。酸素は体と脳の活力源であるだけでなく、精神の安定にも作用します。布団の中で横になったまま、酸素をたっぷりと体の隅々に行き渡せるように意識して、身体を目覚めさせてあげましょう。自律神経(内臓や体温、代謝など生命を維持する機能)において、唯一自分でコントロールできるのは呼吸だけ。大草原やエメラルドグリーンの海が見える砂浜など、美しい景色の中で気持ちよく呼吸していることをイメージしてみましょう。

Tip3. 体側をのばす
布団の上にあぐらをかいて、脇の下をのばすように片方ずつ体の側面をグイーっと開きましょう。片手で体を支え、もう片方は弧を描くように真横にゆっくりと息を吐きながら倒します。全身のストレッチは面倒でも、体の側面をのばすだけなら簡単。腹斜筋などが伸びることで呼吸がしやすくなり、内臓の活性化や姿勢の改善などの効果もあります。

これらは朝の習慣としてだけでなく、仕事やライフスタイルによって起きる時間が昼や夕方になってしまう場合でもOK。目が覚めたときに布団の上で手軽に実践できます。ぜひ今年は簡単シンプルな習慣をつづけて、生き生きとした日々を送りましょう。


illustration : CHIHIRO YOSHII
WRITER
岡村 貴子 - Okamura Takako -
日本第一号のオーガニックコンシェルジュ。現在は企業のウェルネスデザイン研究所の所長を務め「仕事も暮らしも自分のウェルネスは自分でデザインする」ことを推進している。植物療法士、キャリアコンサルタントなどとしても活動する。著書に『おつかれ女子のウェルネス手帳』(幻冬社)、『オーガニック入門』(ソニーマガジンズ)。