差がつく グルメカタログ-手土産編- “美味しい”手土産 vol.5

フードライターの藤井存希 (ふじい あき) です。
飲食店取材とともに、私のライフワークの一つとなっているのが、“美味しい”のお取り寄せ。
雑誌の連載に加え、百貨店の食品カタログも担当しているので、全国の“美味しい”情報がいち早く届き、お仕事だけでも毎月100点以上の撮影をしています。(厳密にいうと、撮影はカメラマンが行い、私は試食しているだけですが…笑)
meeth ポータルサイトでは、「美」×「食」に関心の高い皆さんへ、美食のお取り寄せ・手土産情報をお伝えしていくので、気になるものがあったらぜひご賞味を。

これまでは「ピクニック」向け、「父の日」向けなど、時節のシチュエーションに合わせた手土産をご紹介してきましたが、前回の表参道編から、「出がけに買えるものを」「このあたりに来たら寄ってみよう」というニーズに沿って、エリアごとに使える手土産情報をお届けしています。
(「お取り寄せ」連載の方では、季節やシチュエーションをテーマにご紹介しているので、こちらもチェックしてくださいね！)

今回は、これからの時期、海水浴などで賑わう湘南エリア「鎌倉駅」周辺の手土産情報をご紹介します。
東京で育った私にとって鎌倉は“第二の故郷”といって良いほど、幼少の頃から毎月のように宿泊している場所があり、40年近く通い続けるなじみ深い街 (年齢がバレますね…) 。
鎌倉の手土産といえば、『豊島屋』の「鳩サブレー」から、近年の定番土産になっている『鎌倉紅谷』の「クルミッ子」まで、新旧が勢揃いしますが、都内でも百貨店などで購入できるものが多いため、こちらの連載では、鎌倉ならではの“ちょっと通な手土産”情報をお送りします。

鎌倉の地元民から「ソウルフード」と親しまれている製麺所。

トップバッターは、地元・鎌倉の方々から「ソウルフード」と呼ばれる、『邦栄堂製麺』の中華麺。
こちらを知ったのは、有名料理家さんのお気に入りの麺として撮影したのがきっかけでしたが、大好きな鎌倉の中華料理『かかん鎌倉本店』で使われている麺も『邦栄堂製麺』のものだと知り、自宅用に買って帰るようになりました。
ほかにも、鎌倉では町中華やラーメン屋さんなど、多くの人気店に卸している製麺所なのです。

「醤油ラーメン」や「塩ラーメン」はスープ付きで、ちぢれた生麺がスープによく絡みます。

以前、店頭で女将さんに「『生中華麺』の平打麺と太麺はパスタにも合いますよ」と教えていただいてからは、我が家ではこの2種の『生中華麺』も大量に冷凍保存し、クリーム系ソースのパスタ麺として使ったりすることも。

手書きのデザインが可愛い『邦栄堂製麺』と書かれたレシピカード？ (ペラペラの紙ですが、茹で時間が細麺・中麺・太麺など詳細に書かれています) も、とても好評です。



こちらで忘れずに買っておきたいのが、オリジナルのビニール袋 (レジ袋) 。
1枚¥10とお安く、友人宅へ小分けで持っていく際にも重宝します！

(今回は撮影できませんでしたが… )早い時間に売り切れてしまう「餃子の皮」も、料理家さんはじめ食のプロたちがこよなく愛する人気商品なので、在庫があればぜひお試しを。



鎌倉駅からお店までは少し歩くので、バスか車での訪問がオススメです。 (駐車場あり)
月・火は定休日、木は13時までの営業なのでご注意を！

お次は、鎌倉駅から江ノ電に乗り3駅、「長谷駅」徒歩5m (！本当です！) の場所に、2020年末にオープンした『EKIYOKO BAKE (エキヨコベイク) 』。

長谷駅の“駅ヨコ”ということは、鎌倉の人気ビーチ「由比ガ浜海水浴場」も徒歩5分と至近距離です。



店内も素敵で、イートインもおすすめなのですが、こちらで「手土産」を推す理由は、最初の画像にあるように、手持ちしやすいバッグ状に包んでくれるから。
こんな可愛いテイクアウトなら、誰かにあげて喜ばれるのはもちろん、手持ちしながら海へお散歩したくなりますよね。
(鎌倉の海では、トンビに食べ物を持っていかれる事件が多発しているので注意してください！)



『エキヨコベイク』という店名通り、焼き菓子の種類はケーキからパウンドケーキ、ブラウニー、マフィンなど多彩。
(コーヒーだけサクッとベンチで飲まれる方もいて、スタンドとしての機能もあるそう)



今回は、気になっていた「紅茶とベリーとクリームチーズのクランブル」 (手前) と、「塩キャラメルのパウンド」 (手前のお皿・奥) 、「緑茶とレモンのテリーヌ」 (奥) を自宅用にお持ち帰りしたのですが、ケーキ箱もとっても可愛くて大満足。

どれも素材選びから焼成まで丁寧に作られたことが伝わる味わいでしたが、とりわけ「塩キャラメルのパウンド」は、仕上げにゲランドの塩が使われていて、新鮮な甘塩っぱさがクセになります。

“ちょっと通な”とタイトルをつけたからには、意外と知られていない、なおかつ美味しいものをご紹介したいと思います。
小町通りから一本脇道に入った『キャラウェイ』は、1977年の創業から40年以上、地元の人々に愛されているカレー屋さん。

私も物心がついた頃から通っているのですが、10種以上のスパイスを使ってじっくり煮込んだカレーは、マイルドでコク深い味わいが魅力です。「ビーフ」「チキン」「ポーク」「チーズ」「エッグ」「ホタテ」など数種類のカレーと、「ハヤシライス」もラインナップ。



写真はイートイン時のビーフカレー。
ボリュームたっぷりで、お値段も大幅な値上げなどなく、周辺の観光地価格の飲食店と比べると破格なこともあり、今では行列店ですが、意外と知られていないのが、ルーだけなら並ぶことなく店頭で購入可能です。



ルーの持ち帰りはパウチや真空パックなど使わず、昔ながらのスタイルで (笑) 、「ビーフ」「チーズ」「ハヤシ」と書かれたビニールごと冷凍 (笑！) 。
1種類1個ずつから購入可能ですが、1個意外と重量があるため、帰り際に買って帰るのがおすすめです (電話予約しておけばなお安心) 。

最後は、『腸詰屋 鎌倉』のソーセージ。
軽井沢にある『腸詰屋』とは姉妹店ながら、経営は別だそうで、『腸詰屋 鎌倉』は駅前の小町通り沿いにある「鎌倉小町」店と、鶴岡八幡宮の目の前にある「八幡宮前」店の2店舗があります。



店内 (「鎌倉小町」店) は、サラミや生ハム、ソーセージも多種多様。
ソーセージの本場ドイツでの作り方を受け継いでいて、防腐剤や増量剤などは使用せず、添加物は最小限のみというこだわりをもって、一つ一つ手作りされているそう。



手前から、チーズがとろける「チーズインウィンナ」、ドイツでは代表的なソーセージ・ブラートヴルストの中でも一番人気という荒挽きでパセリ入りの「ブラートヴルスト・フランク」、ジューシーな「荒挽きポークウィンナ」。

どれも80℃くらいのお湯で2〜3分温めるだけで食べられますが、さらにパリッと焼き目をつけると香ばしさもアップしておすすめです。



どのソーセージも、肉の旨みがしっかり感じられ、ほどよくスパイスが効いているので、塩胡椒で調味する必要はないのですが、お好みでマスタードを添えて。


今回は、『腸詰屋』とは無関係ですが、個人的におすすめの粒マスタード (プレーン) も2種ご紹介します。
1つ目は、 (写真左) 大分県の由布院にある名旅館「山荘 無量塔 (むらた) 」の｢粒マスタード」 (140g/¥1,080) 。お土産でいただいて以来ファンとなり、お取り寄せしていたところ、伊勢丹新宿店の地下食品フロアでもお取り扱いがあることを知り、いまではちょっとした手土産にも使っているほどです。

2つ目は、イタリア料理店のシェフに教えてもらった「ヒルファーム マスタード メディテラニアン」 (500g/¥2,484) 。タスマニアで作られる「ヒルファーム マスタード」は、レストランでこのパッケージを見たことがある、という人もいるのでは？ 粒状のマスタードシードをサンドライトマトやブラックオリーブ、ガーリック、ハーブなどと一緒に漬け込んだ「メディテラニアン」は、お肉だけでなくお魚などにも相性抜群です。



『腸詰屋』鎌倉小町店はちょっとしたテラス席やイートインスペースもあり、珍しいクラフトビールの販売などもあるので、お買い物ついでに、ソーセージでビールを1杯…と立ち寄ってみてはいかがでしょうか。