On Beauty: Ayumi Kusumi #19 How to make a back view

2023.10.05
雑誌メディアやご自身のSNSを中心に、シンプルで丁寧な言葉と美しい写真で織りなす日常や世界観に注目が集まるエッセイスト久住あゆみさんの連載。


久住さんが考える「美」とは?

On Beauty: 後ろ姿の作り方

パーソナルトレーニングを始めてから、
四年が経過しました。週二回のペースで通ってます。

四年も経てば、すっかり日々のルーティンに組み込まれて、運動することに「面倒」という気持ちさえ湧き上がらないほど、ライフスタイルの一部に溶け込んでいると実感します。

トレーニングで何よりも大切なことは「習慣化」。
習慣にするまで継続するためには、
ストレスのない環境を作ることが大事。

まず、重要だと思うのはジムの立地とアクセスのし易さ。
続けるにあたり通いやすい場所は絶対条件です。

次に、トレーナーとの相性もとっても大事...!
リクエストに対して綿密なプランを立ててくれるか。
ボディメイクについて、何を聞いても的確に答えてくれるような豊富な知識と筋肉や骨格の構造への深い理解。
これらのプロとしての要素はもちろん、頻繁に会う相手ですから、話していて、気楽で、楽しく、心地よい人がいい。

あえて料金設定が少し高めの方にお願いしてみることもオススメです。素晴らしいトレーナーさんにはそれを払うだけの価値があることが多いですし、もうひとつ、当日キャンセルして無駄にしてしまうのは避けたい!という気持ちから、なんとしてでも!と、頑張って行くことが出来る心理効果も。(経験者)

トレーニングを続けると、自分にとって「理想のボディ」が
だんだん変化してくるのも面白いところです。

最初の頃はウエストラインに腹筋の縦線が欲しい!など、
分かりやすいパーツの変化を求めていたのですが、
次第にマニアックな部位に意識が向いてくるんです。

デコルテにハリを出したいから大胸筋の中でも上部の筋肉を攻めよう。とか、ヒップにヴィーナスのえくぼを作ろう!と腰やお尻周りの体幹に関係している細かな筋肉をコツコツと鍛えてみたり。
中でも、今、挑戦しているのは美しい背中作り...!

背中って範囲も広いこともあり、
結構負荷をかけていても中々「効かせ」づらくて、
難しいパーツなんですよね。。

背中の真ん中にすっと通る一本の線。
綺麗ですよね。あの、影がつく窪んだ線のことです。

元々平面的な部位だからこそ、筋肉をつけて
陰影をつけることで、セクシーな印象を作れる。

体脂肪を減らせば、うっすら出てくる筋肉もありますが(腹筋など)背中の窪みの線は、鍛えないと絶対に出てこない陰影。地道に、磨いて、磨いて、やっと手に入るもの。だからこそ、貴重で価値があるし、憧れるんですね。

私もまだまだ理想とは遠いのですが、
コツコツ頑張っていたら、
最近、うっすらと窪みが出現してきたので(感動...!)
背中トレーニングでよく取り入れる種目を
トレーナーさんに聞きました。

背中はとっても広範囲なので、
様々な筋肉への多角的なアプローチが必要ですが
その中でも特に重点的に取り組んでいる種目がこちら。

①ワイドグリップ・ラットプルダウン
(ウエストを細く見せるために脇のしたからの大円筋・広背筋を引き締める効果)

②バックエクステンション
(②は腰回りの縦線・陰影は脊柱起立筋を鍛える効果
この種目は優秀で腿裏・お尻も同時に鍛えられる)

③シーテッドロー(肩甲骨周りの陰影を出すため)
デットリフト(背面全体を刺激&カロリー消費)
ケーブルorダンベルプルオーバー(腕の付け根・巻き肩の改善と胸を起こす姿勢改善)

これらを軽めのウエイトでウォーミングアップした後に
メインセットで10〜12回で限界になるくらいの重さに設定して、各3セットほどトレーニングしています。

あとは、王道の懸垂もいいですね。
翌日、バッチリ筋肉痛になります...!

一言で美しい背中といっても、なめらかな曲線を描くふんわりセクシーな背中なのか、肩甲骨が際立つ彫刻のように美しい背中なのか、目指す姿も、人それぞれ。
まず、自分にとっての理想のラインを思い描くことから始めてみるのがいいと思います。

背中は大人の女性が大胆に露出しても品格を失わない、
唯一のパーツでもあると思います。

ドレスアップした時、後ろ姿の美しさは
どんなジュエリーよりも、威力を発揮するもの。

努力しないと手に入れられない陰影だからこそ、
持ち主のストイックな美意識を語らずとも伝えるパーツ。

これからも、コツコツと磨いていこうと思います。
Photo @ogata_photo
WRITER
久住 あゆみ -Kusumi Ayumi-
エッセイスト。大阪府出身、東京都在住。上京後、モデルとして主にCM、広告、ショーなどで活動。結婚、出産後しばらくの休業期間を経てエッセイストとして始動。培ってきた感性や体験を活かし、ジャンルに捉われない様々な分野でエッセイを執筆中。