On Beauty: Ayumi Kusumi #15 Part II - To love yourself, accept yourself as you are.

2023.07.31
雑誌メディアやご自身のSNSを中心に、シンプルで丁寧な言葉と美しい写真で織りなす日常や世界観に注目が集まるエッセイスト久住あゆみさんの連載。


久住さんが考える「美」とは?

On Beauty: Part II - To love yourself, accept yourself as you are.

「自分を愛することは、ありのままの自分を受け入れること」(後編)


自分の弱い部分を認められず、変えなきゃ、変わろうと自分を追い込んでいると、やがて自分の心を守るための防衛本能が働いて、いつしか人や世の中に対してもどこか否定的な目で見るようになってしまう。自分をもっと好きになりたいから「変わろう」と思ったのに、なぜか自分にも周りにも厳しくなっていく。そうなると、もう、誰のことも受け入れていない。それって本末転倒ですよね。

生きている限り、誰にでも感情の浮き沈みはあります。好きな自分も嫌いな自分もいる。まずはそのことを自然なこととして認め、自分自身を許してあげること。

つまり、たとえそれがネガティブな感情であっても、「思うままに感じること」を自分に許してあげるんです。不安な時は不安な気持ちを、無理に打ち消そうとせず、そのまま認める。友人に優しく寄り添うように自分にもじっくり向き合ってあげましょう。

大切な人が落ち込んでいたり、自信を無くしていたらどんな風に寄り添いますか?

優しい言葉で肯定し、励まそうとするかもしれません。ある時は、何も言わずに、元気が出るまでそばでじっと見守るかもしれません。勇気を出して本音を語ってくれたなら、それがどんな意見であっても、うん、うん。と頷いて最後まで聞いてあげるかもしれない。

そんな風に、自分自身にも優しく寄り添ってあげられたらいいですよね。

自分への寄り添い方には、いろいろな方法があります。深呼吸をゆっくりと繰り返す、静かに内面を見つめ直す、身の回りの感謝をひとつひとつ思い起こす、手を動かし、身の回りの環境を黙々と整理整頓するのもいい。

その時のありのままの状態にじっくり付き合ってあげていると、ある時、また心の奥から沸々と、前向きな気持ちや自信が自分の中に満ちてくる瞬間が必ず訪れます。

笑って泣いて、また前を向いて歩き出す。人生は、その繰り返しですね。

「どんなあなたでも、大丈夫。私には私がついている。」と最後まで自分自身の味方でいてあげること。ありのままの自分を好きになるとはきっとそういうことだと思うんです。

今回は、いつもわたしにいろんな悩みを相談してくれる人たち、ひとりひとりの顔を想像しながら書きました。

不思議なのですが悩みについてメッセージをいただくたびに「わたしに似てる」と思うんです。このエッセイを読んでくれているわたしに似たあなたが少しでも、元気になりますように。

ひとりじゃないですよ…!
WRITER
久住 あゆみ -Kusumi Ayumi-
エッセイスト。大阪府出身、東京都在住。上京後、モデルとして主にCM、広告、ショーなどで活動。結婚、出産後しばらくの休業期間を経てエッセイストとして始動。培ってきた感性や体験を活かし、ジャンルに捉われない様々な分野でエッセイを執筆中。