大人の小粋な贈りもの図鑑 FILE10 ピアニスト・大井 健さんが選ぶルームフレグランス

2023.07.28
大切な友人や家族、そしてお世話になったあの人へ。
気持ちを伝えたいとき、どんなものを贈りますか?
受け取った相手を笑顔にするこだわりのセレクトを、贈りものの達人に訊きました。

贈りものFILE10

〈MAD et LEN〉/ポプリ アンバー(琥珀樹脂)/15,400円〜(税込)
*値段はサイズによって異なる(写真はミニサイズ)

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MAD et LEN 日本総代理店
https://store.doubleh.jp/collections
*全国に取扱店多数
SELECTOR PROFILE

大井 健(おおい・たけし)
ピアニスト。3歳からピアノ教師の母親に音楽の手ほどきを受け、幼少からドイツ、イギリスに渡り、作曲家メンデルスゾーンの子孫から直接ピアノを学ぶ。数多くのコンクールに優勝し、13歳でロンドン・クイーンエリザベスホールにてバッハのピアノ協奏曲をオーケストラと共演するなど演奏活動を開始。帰国後、国⽴⾳楽⼤学附属⾳楽⾼等学校⾳楽科ピアノ専攻を経て、国⽴⾳楽⼤学⾳楽学部器楽科ピアノ専攻を卒業後、2011年メジャーデビュー。全国各地でコンサートを実施するほか、メディア出演なども多くこなしている。2020年12月に初の著書『Piano man』(集英社)を上梓、2021年には最新アルバムは『reBUILD』(キングレコード)をリリースした。
www.takeshioi.com/
instagram:@takeshioi_pf

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職人が手作りする重厚感溢れる風格。

幼少期から国内外で一流の音楽に触れ、ピアニストとして活躍をつづけている大井 健さんが選んでくれたのは、〈MAD et LEN〉のルームフレグランス。行きつけのセレクトショップで見つけ、ルームフレグランスとは思えない重厚感ある佇まいに一目惚れしたそうです。黒い鉄製の容器の中にはストーン状のポプリが入っていて、そこに付属のオイルを数滴垂らし、部屋に広がる香りを楽しみます。

「引っ越したばかりの音楽家の友人に贈り物を考えていて出合いました。一見無骨なデザインなのですが、容器は職人の手作りだそうで、温かみが感じられます。一つひとつ形や色味が違うのも魅力的。ポプリもオイルも種類が複数あり、いろんな香りの組み合わせが楽しめるんです。ポプリが1つあれば、ときどきオイルを変えたりして、長く愛用できます」

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大地の恵みが感じられる天然の香り。

フレグランスブランド〈MAD et LEN〉は、南フランスのサン・ジュリアン・デュ・ヴェルドンという小さな村で生まれました。器や箱、ラベルにいたる細部まで職人による手作業での生産にこだわっていて、その洗練された見た目はインテリアとしても優秀。ポプリの種類はアンバー(琥珀樹脂)のほか、溶岩石や天然石などがあり、オイルには世界各地から厳選した花や木から抽出した天然素材を使用するなど、香りや見た目から大地の恵みが感じられることも特徴の一つです。

「ブランド名の由来は、フランスの大作家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』で、主人公の過去の記憶を蘇えらせるきっかけとなったお菓子のマドレーヌ(Madeleine:文中ではmad.lenと表記されている)と聞きました。このポプリを手にすると、作中で登場人物たちが奏でる『七重奏曲』や、彼らのおしゃべりする声が聞こえてくる気がするんです。音楽家は自分と向き合う職業で、小説家と似ているところがあると思っています。プルーストが文学史に残る稀有な傑作を生んだように、私も友人のますますの音楽的発展を祈ってこの贈り物をえらびました。きっと気に入ってくれたんじゃないかと思います」

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photo:Shinya Miyazaki
text:Yuuki Yamaguchi (euphoria factory)