On Beauty: Ayumi Kusumi #7 Pure Beauty

2023.04.07
雑誌メディアやご自身のSNSを中心に、シンプルで丁寧な言葉と美しい写真で織りなす日常や世界観に注目が集まるエッセイスト久住あゆみさんの連載。


久住さんが考える「美」とは?

On Beauty: Pure Beauty

「無垢な美しさ」

無垢と洗練。

この二つの言葉から どんなイメージを思い浮かべますか?

どちらの言葉からも連想されるのは クリーンで透明感があるということ。 色でいうと「白」でしょうか。
だけど、やはり本質的には遠い言葉です。
無垢であることと、 洗練されているということは 通常、相反するもの。
例えるならオードリー・ヘプバーンは 愛らしくも洗練されていた。 マリリン・モンローは セックスシンボルであったけど無垢だった。

無垢の究極はあかちゃんですね。 真っさら、無邪気。 何も知らないからこその汚れのない純粋さ。

そこから年齢を重ねるごとに 色々なものを見て、知り、経験することで 成熟を手に入れることと引き換えに通常、 無垢さというのは失われていってしまうもの。

それでも尚、大人になっても 無垢で愛らしく見える人がいる。 見るものにそう感じさせる人がいる。

そこには ただ「知らない」「経験がない」故のうぶな無垢さではなく、 色々な経験を経て清濁併せ飲んだ上で、 それでも「純粋」であることを 選んだ本人の意思が感じられる。

いろいろと経験した上で尚、 世に染まらずに 素直で透明な精神でいることを 自ら選び、貫くのは強さが必要なこと。

だからこそ大人の無垢な美しさは
何にも変えがたく貴重で 魅力的な理由だと思うのです。
WRITER
久住 あゆみ -Kusumi Ayumi-
エッセイスト。大阪府出身、東京都在住。上京後、モデルとして主にCM、広告、ショーなどで活動。結婚、出産後しばらくの休業期間を経てエッセイストとして始動。培ってきた感性や体験を活かし、ジャンルに捉われない様々な分野でエッセイを執筆中。