On Beauty: Ayumi Kusumi #1 My Philosophy

2023.01.11
雑誌メディアやご自身のSNSを中心に、シンプルで丁寧な言葉と美しい写真で織りなす日常や世界観に注目が集まるエッセイスト久住あゆみさんの新連載がスタート。


久住さんが考える「美」とは?

On Beauty: My Philosophy

「美」一文字で表すと気の遠くなる程、漠然とした言葉です。 そのくらい、幅と奥行き、広さを含む言葉。

今回からスタートした本連載。 テーマは「美」。この連載では広大な「美」という海から、ひとつひとつすくいあげるように「美しさ」とはどういうことだろう? と掘り下げていきたいと思います。いうならば「美」の発掘と探索。 読者のみなさまと一緒に「美」を掘り出し、多角的に見つめながら深めていける。そんな連載にしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

「美」という響きで、私が最初に思いつくのは「美しいひと」
私は美しいひとが好きです。 正確にいうと美しくあろうとするひと。

美しくあろうとするとは?「自分の魅力を正しく理解し、磨き続ける」姿勢だと思うのです。 美しくあろうとする為に必要なのはまず、はじめに外からも内からも自分を知ろうとし多角的に自分を見つめ、成長させていくこと。

「自分の魅力を理解する」って、楽しいばかりじゃなくて勇気が必要な作業でもあるんですよね。主観と客観のバランスを保ちながら冷静に分析することが大切だから。その過程で自分の欠点と正面から向き合う勇気も必要です。
特に情報が溢れかえり、何かと不安定な時代を生きる私たちには物事を正しく選ぶことのできる選択眼が必要。ファッションでもひとつのジャンルが流行り、その流れに乗っていればとりあえず大丈夫。という時代は、遠に過ぎてしまいました。考え方や生き方にしても、 画一的な安定した道、みんなが思い描く成功やふわっとひとかたまりに共通認識としていたような幸せの基準のようなものもなくなりました。

一見、自由になったようにも思えますが、膨大な情報や数限りない選択肢が目の前にあるからこそ、自分を知るという作業から目を逸らしていると、いつまでも答え合わせを外に求めてしまうことになり、本当の意味での自由を手に入れることができません。

自分を多角的に見つめ、知ろうとすることではじめて数多ある情報や選択肢の中から丁寧で正確なチョイスができるようになる。 その選択の繰り返しこそが、自分を磨き続けるということだと思うのです。
WRITER
久住 あゆみ -Kusumi Ayumi-
エッセイスト。大阪府出身、東京都在住。上京後、モデルとして主にCM、広告、ショーなどで活動。結婚、出産後しばらくの休業期間を経てエッセイストとして始動。培ってきた感性や体験を活かし、ジャンルに捉われない様々な分野でエッセイを執筆中。