

わたしをつくる美的小物 vol.1 小谷実由
2022.10.08

vol.1 小谷実由(モデル)
14歳からモデルとして活動し、最近はエッセイも出版するなど文筆家としても活躍中の小谷実由さん。ナチュラルで柔らかな雰囲気の小谷さんは、メイクや小物にどのようなこだわりがあるのでしょうか。お気に入りの美的小物を教えていただきました。

櫛がすごく好きで、いつもひとつは持ち歩いています。髪をとかす実用性だけでなく、「モノ」としての美しさが好きなんです。
集めるようになったきっかけは5年ほど前のシンガポール旅行。インド人街で見つけた一本を気に入って、それからアジアに行くとディスカウントストアやバラエティショップなどでカラフルなものや変わった形のものを探すようになりました。
その後〈オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー〉の櫛に出合い、その美しさに魅せられました。一本一本手作りで、柄も違うんですよ。ケースがあるところもいいですよね、大切にしようと思わせてくれる。櫛コレクションの記念すべき100本目はビュリーにすると決めて、自分で買いました。ずっと忘れないように「100」と刻印して。特別な一本だから、すぐには使わず、眺めて、愛でていたいなと思います。

セルフネイルをよくします。視界に入る指先がきれいだと気分が上がるので、ハゲてしまったらすぐに変えるし、少なくとも週1では塗り直していますね。
緑色が好きなんですが、新色が出たら似たような色でも買ってしまいます。少しずつ違うし、塗り重ねの回数でも色味が変わるので、気分や服装に合わせて選ぶのを楽しんでいます。だから、ネイルはそのときの自分の気分を一番表すところかもしれません。
とくにネイルを塗る時間が大切なんです。日々、あれもやらなきゃこれもやらなきゃと頭を動かしているから、爪を塗るのに集中したり、乾くまで何もできない時間が特別で。
とはいえ早く乾いたほうがいいので、〈NAILS INC〉のネイルポリッシュが色味、実用ともに優れていて好きです。ユニークな商品名やパッケージのかわいさもお気に入りの理由です。

誕生日に、憧れの女性からいただきました。ケースの色も私の好きなグリーンだし、似合うと思うからと選んでくれた、特別な思い出も含めて大切にしています。ここぞという特別な日につけています。パキッとした色に見えますが、実は薄づきで使いやすいんですよ。
くちびるは自分の顔でも好きなパーツ。もともと、口紅をつけたくてメイクするというくらい、リップアイテムはコスメのなかでも好きなものなんです。ファッションや、全体のバランスを考えて色を選ぶことが多いですね。

ほぼ毎日つけているSHIHARAのリングとバングル。(写真左下の)指輪はずっと憧れていて手に入れたものですが、自分の指の形に変化してきたほど。デザイナーの石原さんに直せるか聞いたところ、直すこともできるけれど、自分の形になるもの味だよと言われてそのままにしています。(写真上の)バングルは、婚約指輪の代わりに夫からプレゼントされたもの。私からリクエストしました。
自分の気持ちを保ってくれるものだから、たまにつけ忘れたりしたらずっとソワソワしてしまう。手元を見てかわいいと思えるバランスで、他のリングやアクセサリーの重ね付けも楽しんでいますね。だから、「シンプルで、ずっと使えて、一緒につける他のジュエリーを邪魔しないこと」が私のアクセサリー選びの条件です。

リップをつけ足すなどのお直しはできても、フルメイクはたいてい1日に1回。鏡に映ったときに後悔したくないから、もし違うなと思ったらメイクの途中でも全部やり直します。
中学生からマスカラやアイラインをするようになって、まつ毛をモリモリにしたこともあったけど、私は逆に盛りすぎると子どもっぽくなる気がして、20代からは引き算のメイクを心がけるようになりました。ガラッと変わるよりも、自分がほんのちょっと素敵に見えるヘアメイクが好みかな。ニュートラルな自分をよりよく見せられる、素の自分が活きるメイクが私には大切です。
体調や不安が、顔に出てしまうんです。だから常に楽しい気分でいたい。心のなかの自分の声を聞きながら、自分の気持ちを上げるためにできることはなるべくやっていますね。
視覚的に楽しめるものが好きで、身につけるものもメイクも、いいと思える自分でいることが自信につながります。自分を好きでいるために、美しくいるのは必要なことですね。

ビュリーの櫛
櫛がすごく好きで、いつもひとつは持ち歩いています。髪をとかす実用性だけでなく、「モノ」としての美しさが好きなんです。
集めるようになったきっかけは5年ほど前のシンガポール旅行。インド人街で見つけた一本を気に入って、それからアジアに行くとディスカウントストアやバラエティショップなどでカラフルなものや変わった形のものを探すようになりました。
その後〈オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー〉の櫛に出合い、その美しさに魅せられました。一本一本手作りで、柄も違うんですよ。ケースがあるところもいいですよね、大切にしようと思わせてくれる。櫛コレクションの記念すべき100本目はビュリーにすると決めて、自分で買いました。ずっと忘れないように「100」と刻印して。特別な一本だから、すぐには使わず、眺めて、愛でていたいなと思います。

NAILS INCのネイルポリッシュ
セルフネイルをよくします。視界に入る指先がきれいだと気分が上がるので、ハゲてしまったらすぐに変えるし、少なくとも週1では塗り直していますね。
緑色が好きなんですが、新色が出たら似たような色でも買ってしまいます。少しずつ違うし、塗り重ねの回数でも色味が変わるので、気分や服装に合わせて選ぶのを楽しんでいます。だから、ネイルはそのときの自分の気分を一番表すところかもしれません。
とくにネイルを塗る時間が大切なんです。日々、あれもやらなきゃこれもやらなきゃと頭を動かしているから、爪を塗るのに集中したり、乾くまで何もできない時間が特別で。
とはいえ早く乾いたほうがいいので、〈NAILS INC〉のネイルポリッシュが色味、実用ともに優れていて好きです。ユニークな商品名やパッケージのかわいさもお気に入りの理由です。

エルメスの口紅
誕生日に、憧れの女性からいただきました。ケースの色も私の好きなグリーンだし、似合うと思うからと選んでくれた、特別な思い出も含めて大切にしています。ここぞという特別な日につけています。パキッとした色に見えますが、実は薄づきで使いやすいんですよ。
くちびるは自分の顔でも好きなパーツ。もともと、口紅をつけたくてメイクするというくらい、リップアイテムはコスメのなかでも好きなものなんです。ファッションや、全体のバランスを考えて色を選ぶことが多いですね。

SHIHARA のアクセサリー
ほぼ毎日つけているSHIHARAのリングとバングル。(写真左下の)指輪はずっと憧れていて手に入れたものですが、自分の指の形に変化してきたほど。デザイナーの石原さんに直せるか聞いたところ、直すこともできるけれど、自分の形になるもの味だよと言われてそのままにしています。(写真上の)バングルは、婚約指輪の代わりに夫からプレゼントされたもの。私からリクエストしました。
自分の気持ちを保ってくれるものだから、たまにつけ忘れたりしたらずっとソワソワしてしまう。手元を見てかわいいと思えるバランスで、他のリングやアクセサリーの重ね付けも楽しんでいますね。だから、「シンプルで、ずっと使えて、一緒につける他のジュエリーを邪魔しないこと」が私のアクセサリー選びの条件です。

小谷さんの「メイク道」
リップをつけ足すなどのお直しはできても、フルメイクはたいてい1日に1回。鏡に映ったときに後悔したくないから、もし違うなと思ったらメイクの途中でも全部やり直します。
中学生からマスカラやアイラインをするようになって、まつ毛をモリモリにしたこともあったけど、私は逆に盛りすぎると子どもっぽくなる気がして、20代からは引き算のメイクを心がけるようになりました。ガラッと変わるよりも、自分がほんのちょっと素敵に見えるヘアメイクが好みかな。ニュートラルな自分をよりよく見せられる、素の自分が活きるメイクが私には大切です。
自分の気持ちをあげるために
体調や不安が、顔に出てしまうんです。だから常に楽しい気分でいたい。心のなかの自分の声を聞きながら、自分の気持ちを上げるためにできることはなるべくやっていますね。
視覚的に楽しめるものが好きで、身につけるものもメイクも、いいと思える自分でいることが自信につながります。自分を好きでいるために、美しくいるのは必要なことですね。
PROFILE
小谷実由(おたに・みゆ)
1991年、東京都生まれ。ファッション誌や広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。初エッセイ集『隙間時間』(ループ舎)を7月末に出版。
Instagram https://www.instagram.com/omiyuno/
小谷実由(おたに・みゆ)
1991年、東京都生まれ。ファッション誌や広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。初エッセイ集『隙間時間』(ループ舎)を7月末に出版。
Instagram https://www.instagram.com/omiyuno/
*撮影小物はすべて小谷さん私物
photo : Kengo Motoie
text : Nobuko Sugawara (euphoria factory)
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