On Beauty: Ayumi Kusumi #14 Part I - To love yourself, accept yourself as you are.

2023.07.19
雑誌メディアやご自身のSNSを中心に、シンプルで丁寧な言葉と美しい写真で織りなす日常や世界観に注目が集まるエッセイスト久住あゆみさんの連載。


久住さんが考える「美」とは?

On Beauty: Part I - To love yourself, accept yourself as you are.

「自分を愛することは、ありのままの自分を受け入れること」(前編)


その言葉の意味を、なんとなく分かった気になりながらも、一方でありのままの自分を受け入れるのは、そう簡単なことじゃない…と、腑に落としきれない気持ちになる。そんなことはありませんか?

不安や自信のなさ、自分の嫌いな部分に直面すると「受け入れる」ことよりも先に「直さなきゃ」「変わらなきゃ」という焦燥感を抱いてしまうひとも多いと思います。

かつて、わたしもそうでした。でも、30代も後半になってようやく自分を「受け入れる」ってこういうことなんだ。と少し理解しはじめてきた気がします。

自分の考えをSNSやエッセイを通して発信しているわたしは、読んでくれる方に少しでもいいエネルギーをシェアできたらと思っているので、何かを書いたり発信する時は、自分が出来るだけニュートラルで前向きな状態でいるように心がけています。そうしていると、どうしてもいい部分ばかりを見せることになってしまうんですね。

私より少し若い女性たちから時折、「どうしたら自信を持つことができますか?」と質問をいただくことがあります。

すぐ役に立ちそうなカッコいい答えをお返したいのですが...わたし自身も、穏やかでいられない時も、軸がブレそうになる時も、自信をなくすことも、不安を感じることも、今だってしょっちゅうあります。

以前は、そんな自身のバイオリズムの波になんともいえない居心地の悪さを感じ、中々受け入れられずにいました。

どんな出来事が起こっても、揺るぎない自信が欲しい。いつも幸福感に満たされた心が欲しい。芯のある「基盤」が欲しい。と追い求め、手に入れたいと渇望していた気がします。

自分が憧れている人々はきっとみんなそういうものを持っているに違いない。そうなるためには、彼ら彼女らのように強い自分に「変わらなきゃ」と焦っていたのだと思います。

しかし、元気な時はいいけれど、沈んでいる時に「変わらなきゃ」と自分に言い聞かせ続けるって、結構しんどいことなんですよね。
それは、突き詰めると今の自分を否定していると同じことだから。
WRITER
久住 あゆみ -Kusumi Ayumi-
エッセイスト。大阪府出身、東京都在住。上京後、モデルとして主にCM、広告、ショーなどで活動。結婚、出産後しばらくの休業期間を経てエッセイストとして始動。培ってきた感性や体験を活かし、ジャンルに捉われない様々な分野でエッセイを執筆中。