大人の小粋な贈りもの図鑑 FILE9 落語家・林家つる子さんが選ぶ風呂敷

2023.06.30
大切な友人や家族、そしてお世話になったあの人へ。
気持ちを伝えたいとき、どんなものを贈りますか?
受け取った相手を笑顔にするこだわりのセレクトを、贈りものの達人に訊きました。

贈りものFILE9

〈朝倉染布〉/超撥水風呂敷『ながれ』 宝切子(平織96㎝)、星空(平織96㎝)/ともに4,290円(税込)

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朝倉染布
www.nagare-furoshiki.com
www.nipponnagare.com
*全国に取扱店多数
SELECTOR PROFILE

林家つる子(はやしや・つるこ)
落語家。2010年に九代林家正蔵に弟子入りし、2015年に二ツ目昇進。2023年3月21日より、先輩を11人追い越しての抜てきで真打ちに昇進することが決まった。落語協会では初の、女性の抜てき昇進となる。群馬県高崎市出身で、ぐんま特使を務める。
tsuruko.jp
instagram:@hayashiya_tsuruko

大切な物を守ってくれる濡れない風呂敷。

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落語家の林家つる子さん。もともと女性が主役の噺が少ない古典落語ですが、名作「芝浜」をおかみさんを主人公にして描き直すなど、意欲的に新しい挑戦をつづけ注目を集めています。寄席への出演はもちろんのこと、ラジオやテレビなどでも活躍しながら、落語を身近に感じてもらいたいと日々邁進中。そんなつる子さんがオススメの贈り物に選んでくれたのは、超撥水加工が施された〈朝倉染布〉の濡れない風呂敷『ながれ』です。

「出身地である群馬県のPRをするぐんま特使を務めています。以前お仕事で桐生市を訪れたときに、地元の方がプレゼントしてくださったのが『ながれ』を知ったきっかけでした。落語家は移動が多いので、仕事着である着物を包むのに風呂敷は重宝します。それに超撥水加工で水をしっかり弾くので、急な雨でも大事な着物を濡らすことなく安心です。結び方によっては風呂敷自体を鞄として使ったりもします。落語の後輩の昇進祝いや、お世話になった仕事関係の方への贈り物として選ぶことが多いですね」

贈る相手に合わせて選びたい豊富なデザイン。

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古くから織物で栄えた群馬県桐生市で1892年に創業した〈朝倉染布〉は、織物や生地に加工を施す「染め屋」と呼ばれる工程を担い、人と環境に優しい製品の開発を追求してきました。水を弾く風呂敷『ながれ』は、もともと赤ちゃんのおむつカバーに使われていた技術を発展させて誕生したといいます。濡れた水着などを運んだり、雨のときに布や革のバッグを包むカバーとして使ったりすることもできます。

「広げて頭や身体を覆えば傘がわりにもなるし、鞄状に結んだ中に水を直接入れることもできるので、防災にも役立ちますね。使ったら洗濯できますし、とても便利で万能なんです」

生地の種類は4種類。サイズも一辺47cmから大きいものは128cmまでと多様で、柄もレトロな和柄からモダンなデザインまで実に70種以上のラインナップ。つる子さんの今の気分は、切子ガラスをイメージしたデザインの「宝切子」と、青のグラデーションの空一面に星が輝く「星空」だそうです。

「柄が豊富なので、プレゼントしたい相手の雰囲気に合わせて選ぶのが楽しいです。江戸時代からある風呂敷だけど、そこに新しさがあるのが『ながれ』。温故知新を感じる素敵な風呂敷です」



photo:Shinya Miyazaki
text:Yuuki Yamaguchi (euphoria factory)