On Beauty: Ayumi Kusumi #12 A Person like a Pearl
2023.06.15
雑誌メディアやご自身のSNSを中心に、シンプルで丁寧な言葉と美しい写真で織りなす日常や世界観に注目が集まるエッセイスト久住あゆみさんの連載。
久住さんが考える「美」とは?
久住さんが考える「美」とは?
On Beauty: A Person like a Pearl
「真珠のようなひと」
宝石を見るとつい、「この宝石は女性に例えるとどんなひと?」と、擬人化してしまうことがよくあります。
例えば、ダイヤモンドは硬質の魅力を放つクールビューティー。ルビーは燃えるような情熱を内包した女王様。中でも、この人には到底敵わない。だけど近づきたい。と年々憧れと尊敬を増していく存在が真珠です。
「真珠のようなひと」
この言葉でどんな人を思い浮かべますか?
私がまず思い描くのは慎み深く美しい人。
真珠はその成り立ちからして異例です。ほとんどの宝石が地球の地中深くで出来る鉱物ですが、真珠は海や湖から生み出されるもの。さらにカットやポリッシュといった加工を施さずとも、生まれ落ちた瞬間から柔らかな潤いと輝きを自らが持っている。
真珠の母貝は体内に入った「核」という異物の痛みに耐えながら、それを受け入れるだけでなく、そこからさらに守るように包み込んでしまうそうです。その時感じる痛みは壮絶で、耐えられなくて死んでしまう貝もいるほど。あの何重にも重なったオーロラのような輝きは痛みと包容力という涙と愛で出来ているのですね。
「真珠のようなひと」とは人生で経験する様々な出来事を受け入れ包み込めるひと。そして、痛みや悲しみまでも自らの美しさに昇華できるひと。きっとそんな人に違いない。と思います。
楚々とした魅力の奥にあるのは計り知れない芯の強さです。
今はまだ遠い憧れの存在ですが、いつの日か柔らかさと強さを兼ね備えた「真珠のようなひと」になれたなら。
宝石を身に纏うということはその魔力ともいうべき魅力を少しずつ自分の内に蓄えていくということ。人に対するのと同じように尊敬の気持ちを持って宝石と付き合っていきたいですね。
宝石を見るとつい、「この宝石は女性に例えるとどんなひと?」と、擬人化してしまうことがよくあります。
例えば、ダイヤモンドは硬質の魅力を放つクールビューティー。ルビーは燃えるような情熱を内包した女王様。中でも、この人には到底敵わない。だけど近づきたい。と年々憧れと尊敬を増していく存在が真珠です。
「真珠のようなひと」
この言葉でどんな人を思い浮かべますか?
私がまず思い描くのは慎み深く美しい人。
真珠はその成り立ちからして異例です。ほとんどの宝石が地球の地中深くで出来る鉱物ですが、真珠は海や湖から生み出されるもの。さらにカットやポリッシュといった加工を施さずとも、生まれ落ちた瞬間から柔らかな潤いと輝きを自らが持っている。
真珠の母貝は体内に入った「核」という異物の痛みに耐えながら、それを受け入れるだけでなく、そこからさらに守るように包み込んでしまうそうです。その時感じる痛みは壮絶で、耐えられなくて死んでしまう貝もいるほど。あの何重にも重なったオーロラのような輝きは痛みと包容力という涙と愛で出来ているのですね。
「真珠のようなひと」とは人生で経験する様々な出来事を受け入れ包み込めるひと。そして、痛みや悲しみまでも自らの美しさに昇華できるひと。きっとそんな人に違いない。と思います。
楚々とした魅力の奥にあるのは計り知れない芯の強さです。
今はまだ遠い憧れの存在ですが、いつの日か柔らかさと強さを兼ね備えた「真珠のようなひと」になれたなら。
宝石を身に纏うということはその魔力ともいうべき魅力を少しずつ自分の内に蓄えていくということ。人に対するのと同じように尊敬の気持ちを持って宝石と付き合っていきたいですね。
久住 あゆみ -Kusumi Ayumi-
エッセイスト。大阪府出身、東京都在住。上京後、モデルとして主にCM、広告、ショーなどで活動。結婚、出産後しばらくの休業期間を経てエッセイストとして始動。培ってきた感性や体験を活かし、ジャンルに捉われない様々な分野でエッセイを執筆中。