大人の小粋な贈りもの図鑑 FILE3 ブックディレクター・山口博之さんが選ぶコーヒー&チョコレート

2022.12.21
大切な友人や家族、そしてお世話になったあの人へ。
気持ちを伝えたいとき、どんなものを贈りますか?
受け取った相手を笑顔にするこだわりのセレクトを、贈りものの達人に訊きました。

贈りものFILE3

〈蕪木〉/珈琲「珀」 950円 (税込)、板チョコレート「かもがや」 1,300円 (税込)

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蕪木
住所:東京都台東区三筋1-12-12
TEL:03-5809-3918
kabukiyusuke.com/

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SELECTOR PROFILE

山口博之(やまぐち・ひろゆき)
good and son代表。1981年仙台市生まれ。立教大学卒業後、2004年から旅の本屋「BOOK246」に勤務。06年から16年まで選書集団BACHに所属。17年にgood and sonを設立し、オフィスやショップから、レストラン、病院、個人邸まで様々な場のブックディレクションを手掛けるほか、企業やブランド、広告のクリエイティブディレクション、さまざまなメディアの編集、執筆、企画なども行う。最近では、ディレクション、編集を手掛けるゴールドウインのブランド「PLAY EARTH KIDS」のショップが恵比寿ガーデンプレイスにオープンした。
猫を飼っているが猫アレルギー。

https://www.goodandson.com/
Instagram: @yamaguchi_h/

毎日のリラックスタイムに少しの贅沢を。

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今回のセレクターは、ブックディレクター・編集者の山口博之さん。ご自身はもちろん、コーヒー好きだという奥さんのために、日常のふとしたときや、出張で遠方に行ったときなどに買って帰ることが多いそうです。

自宅でコーヒーを淹れる担当は、学生時代にコーヒー店でアルバイトしていた山口さんだけでなく、なんと7歳になる娘さんもなのだそう。夏休みに毎日コツコツと何かを記録するという宿題があり、両親のためにハンドドリップを練習したのだとか。「最初こそ心配だったけれど、徐々に豆に注ぐお湯も細くなり、丁寧に味を抽出できるようになっていきました。日々当たり外れはありますが(笑)」と山口さん。コーヒーを買って、淹れて、飲むことは、家族の特別な時間になっています。

そんなコーヒー好きの山口さんが〈蕪木〉に出合ったのは、自身が関わっていたラジオ番組でオーナーの蕪木祐介さんに出演いただいたことがきっかけでした。そのときにコーヒーとチョコレートを味わって以来、口にするたびに「その香りの豊かさに静かな興奮が味わえる」そうです。

カカオの味わいの違いを堪能して。

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コーヒー豆の焙煎販売とチョコレート製造販売を行う〈蕪木〉。2階には、コーヒーとチョコレートを静かにゆっくり堪能できる喫茶スペースを併設しています。(席の都合上3名様以上の案内不可。1名での利用を推奨)

今回選んでもらった珈琲「珀」は、素直な味わいの中に重厚なコクと苦みが感じられ、キレがありながらも、あとに甘味が心地よく滲みます。濃く淹れても浅く淹れてもおいしくいただけて、チョコレートだけでなく、餡やケーキなどのしっかりした甘味にもマッチするコーヒーです。「かもがや」は、ハイチ産カカオを使用したカカオ含有量70%の板チョコレート。程よい苦味の中に干し葡萄のような果実感があり、最後にはローストナッツのような香ばしい余韻が広がる、豊かで上品な一品です。

「〈蕪木〉にはお店の佇まいも含め、凛とした美しさがあります。コーヒーは濃厚で芳醇で、心地よい苦味や華やかな香りがあり、とても力強い印象です。そしてチョコレートがまたすごい。コーヒーが果実であることは知っていたけれど、チョコレートが発酵食品であることを〈蕪木〉のチョコレートで実感しました。商品ごとに産地が異なるんですが、口に含んだときの違いに驚きましたね。複数種類買って食べ比べてみるのもおすすめですよ」(山口さん)

photo:Kengo Motoie
text: Yuuki Yamaguchi (euphoria factory)