体をいたわる季節のレシピ - April -

2023.04.21
移ろう季節とともに、ゆらぎ、変化する肌や体。旬の食材をとりいれ、内側からととのえるレシピを、料理家・植松良枝さんに教えてもらいました。

4月 穀雨 - アスパラガスのリゾット

太陽の光をたっぷり浴び、まっすぐと長く伸びるアスパラガス。春先から九州産のものが出回り始め、関東の露地ものは4月中旬ごろから、北海道産のものは6〜7月に旬を迎え、長く楽しめるのが特徴です。そんなアスパラガス本来の味わいを十分に楽しめる、シンプルなリゾットを。

植松さん:春以降旬を迎えるアスパラガスは、ほんのりとした甘みのなかに独特の野生みを感じる、エネルギッシュな野菜。実は新鮮なものならば、生で食べられるんですよ。畑で採れたアスパラガスをそのままかじるのもおいしいんです。

――採れたてのアスパラガスは、きっと格別ですよね。ただ、アスパラガスは筋張っているものも多く、選び方が難しいと感じます。

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植松さん:まっすぐで曲がっていないもの、しわのよっていないものは、ストレスがあまりかかっていないので柔らかいものが多いです。保存時も、なるべく立ててあげると鮮度が長持ちしますよ。

――今度から実践してみます! 今回はそんなアスパラガスを使ったリゾットですが、驚いたのはチキンスープなどの旨み出汁を使わないんですね。

植松さん:そうなんです。実はアスパラガスの茹で汁は、旨みがたっぷり詰まっているのでバターとチーズでコクをプラスするくらいで十分。アスパラガス自体の青々とした爽やかな味わいを堪能してみてください。ピーラーでむいた皮も捨てずにとっておき、だしに使うとさらによいですね。

レシピ


材料(2〜3人分)
グリーンアスパラガス 6本
米 1/2カップ(100ml)
玉ねぎのみじん切り 20g
パルミジャーノチーズ(すりおろし)15g
バター 15g
オリーブオイル
水 2カップ強(約450ml)
塩 小さじ2/3

1. アスパラガスは根元2~3センチを手で折るか切り落とし、下のほう6~7センチの表皮をピーラーで薄くむき、5~7ミリ厚さの小口切りする(むいた薄皮は捨てずにとっておく)。

2. <アスパラガスのだしをとる>小鍋に分量の湯を沸かして塩を加え、まず薄皮を入れて1分ほど煮出して取り除いてだしをとってから小口切りのアスパラガスを加えて1分ほどゆで、取り出しておく。

3. 平鍋または小さめのフライパンにオリーブオイル小さじ2とバターを入れて弱火にかけ、バターが溶けたら玉ねぎのみじん切りを加えてしんなりするまで炒める。

4. 米を加えて全体になじませたら2の茹で汁の約半量を加えて弱火で煮、水分がなくなってきたら残りの茹で汁を2~3回に分けて加えながら弱火のままトータルで13分を目安に煮てアルデンテ(味見してみて米の中心部にわずかに芯が残っている状態)に仕上げる。
火を止める直前にアスパラガスとチーズを加えてなじませる。

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5. 器によそい、オリーブオイルを好みで適量たらす。


鮮やかな新緑の色に気分も上がる、シンプルなのにしみじみと味わい深いリゾットの完成。最後にオリーブオイルをひと回しかけて召し上がれ。

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PROFILE
植松良枝(うえまつ・よしえ)
料理研究家。旬の食材を活かし、季節に寄り添った料理を提案している。料理教室や菜園での野菜づくりも手掛け、幅広く活躍中。著書に『一度は使ってみたい野菜で、何度でもつくりたいレシピ』(プレジデント社 )など。

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photo=Ryo Yonekura
text=Yue Morozumi(euphoria factory)


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